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壷.花入.花生

色絵薄墨草花文花

こんにちは、本日紹介します作品は
十三代・今泉今右衛門「色絵薄墨草花文花瓶」

十三代・今泉今右衛門(1926〜2001)

十三代今泉今右衛門は江戸時代から続く「鍋島焼」の伝統を受け継ぎつつ、現代的な磁器をつくり続けました。その中でも色絵をほどこした「色鍋島」と呼ばれる磁器で数々の名作を生み出していました。
東京芸術大学を卒業しピカソやマチスの影響を受けた作品を作り続けていたそうです。そんな現代的なアートの影響を受け30代後半になるとずっと身近にあった日本の色鍋島の中にも現代的な美しさがあることに気づき、鍋島焼の「現代化」に取り組みました。現代鍋島焼の薄墨・吹墨・緑地の技法を確立し伝統工芸に新たな可能性を生み出しました。文様のデザインにもいままでの伝統の域を超えた型破りな工夫を加え、色鍋島の新たな世界を切り開き、平成元年に重要無形文化財「色絵磁器」保持者(人間国宝)に認定されました。

さて今回紹介します「色絵薄墨草花文花瓶」は酸化ウランを使って表現される「薄墨」の技法を使用した画期的な作品になります。初期伊万里の吹墨技法のコバルトを代えて、グレーで発色する酸化ウランであらわし、渋い滋味な調べの地色を完成させて落ち着きのある色絵を浮きあげる独特な加飾法。
それにより伝統の鍋島焼ならではの色彩描写にさらに表情豊かに陰影をもたらしています。

描かれいる草花が大変美しく描かれており、まるで花瓶に生えたかのように感じられます。お花を入れて飾って頂いても、花瓶単体でも楽しんで頂ける作品ではないでしょうか。

こちらの作品は只今店頭にて展示中ですので、お近くにお越しの際は是非店頭にてご覧下さい。

略歴
1926年 佐賀県有田町に十二代今右衛門の長男として生まれる
1949年 東京美術学校(現芸大美術部)工芸科卒業
1965年 日本工芸会正会員推挙
1975年 十二代死去により十三代今右衛門を襲名
1986年 紫綬褒章受賞
1987年 日本工芸会常任理事推挙
1989年 重要無形文化財「色絵磁器」保持者に認定
1999年 勲四等旭日小綬章受章
2001年 逝去

大阪市北区角田町8番7号 阪急うめだ本店7階 古美術ギャラリー
営業時間 10:00〜20:00(阪急うめだ本店に準じます)
Tel:06-6313-7618
Mail:umeda@shiotani16.jp

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