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壷.花入.花生

初代諏訪蘇山 青瓷鳳凰耳花入

桜の見頃も過ぎあっという間に葉桜の季節ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

本日は初代諏訪蘇山の作品をご紹介します。

「万声」の名を持つ青磁鳳凰耳花生(国宝、和泉市久保惣記念美術館蔵)をモデルとした作品です。この「万声」は南宋時代(13世紀)の中国で盛んに活動を展開した窯の一つ、龍泉窯で作られたものとされています。

緑がかったやや暗めの青瓷釉が、涼しげな静謐さを感じさせます。

鳳凰の頭を模した耳には、冠羽の流れやギュッと閉じたくちばしが表現されており、凛々しい鳳凰の表情が見てとれます。

青瓷特有のひんやりとしたモダンな雰囲気が、これからの季節、和室・洋室どちらに置いても爽やかに楽しんでいただけそうです。

こちらの作品は店頭にて展示中です。ゴールデンウィークのお出かけの際にはぜひ当店へお立ち寄りください。


初代諏訪蘇山 略歴

1851年 石川県金沢市に生まれる
1873年 任田徳次(彩雲楼旭山)に陶画法を学ぶ
1875年 東京で作陶を開始
1879年 石川県勧業試験場の製陶助手となる
1887年~1896年 大病を患い蘇生したことから、号を「蘇山」とする
1900年 京都で錦光山宗兵衛の窯に勤務
1907年 独立、京都五条坂で作陶を開始
1914年 朝鮮李王家嘱託として高麗古窯の調査を行い、再興依頼を受けて窯を完成
1917年 帝室技芸員を拝命 翌年には宮内省より製陶のご用を受け制作を行う

1922年 逝去


大阪市北区角田町8番7号 阪急うめだ本店7階 古美術ギャラリー 雅翔堂塩谷

営業時間 10:00〜20:00(阪急うめだ本店に準じます)

Tel: 06-6313-7618

Mail:umeda@shiotani16.jp

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濁手枝垂桜地文六角花瓶

十四代・酒井田柿右衛門(1934~2013)

1934年 佐賀県有田町に生まれる。
1958年 多摩美術大学日本画科卒業。作陶技術を十二代、十三代柿右衛門に師事。
1982年十四代柿右衛門を襲名。
2001年 重要無形文化財「色絵磁器」保持者(人間国宝)に認定される。
2005年 旭日中綬章受章
2006年 有田名誉町民の称号を受ける
2007年 西日本文化賞受賞
2013年6月15日逝去(享年78)

佐賀県有田生まれの十四代酒井田柿右衛門は十二代、十三代が再興した秘宝を若くして受け継ぎました。十二代と十三代が復興させた「濁手」の製陶技術を学びました。
祖父からは絵具の調合と絵付、父からは素地調製、成形と焼成を学びました。
1966年に一水会、西部工業展に入選した事を皮切りに様々な功績を上げ、1971年に「色絵磁器」の重要無形文化財保持者に認定されました。
「濁手」と呼ばれる独特の白素地に、赤絵を基調として草花を描いた作品が特徴的で、伝統を守りつつ時代に合わせて少しずつ変化しているのが十四代の特徴です。

さて、今回ご紹介致します「濁手垂枝桜文六角花瓶」も白い上に柔らかさと温もりを感じさせる柿右衛門独自の濁手に、野生に自生する愛らしい桜の花が伸び伸びと表と裏に描かれています。余白と花との絶妙なバランスが目を引く作品です。

 

またその桜を取り巻くか如く左右の面に描かれた格子柄の文様がモダンで作品の構図を締めています。どの角度から見ても楽しめる作品なのではないでしょうか。

今回のこの作品は店頭にて展示中です。お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

 

 

 

大阪市北区角田町8番7号 阪急うめだ本店7階 古美術ギャラリー
営業時間 10:00〜20:00(阪急うめだ本店に準じます)
Tel:06-6313-7618
Mail:umeda@shiotani16.jp

 

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釉裏金彩椿文花瓶

こんにちは。本日ご紹介する作品は
吉田美統「釉裏金彩椿文花瓶」です。

 

吉田美統(1932〜)

略歴
1932年 石川県小松市に生まれ、本名を稔。
1951年 錦山窯3代を継承して上絵付けや金襴手の技法習得に努める
1963年 九谷焼新作展で県知事賞を受賞
1970年 日本万国博覧会に石川県より選抜され百人一首大花瓶を出品
1974年 日本伝統工芸展入選
1976年 朝日陶芸展で受賞
1979年 釉裏金彩鉢外務省買上作品に選定される
1980年 伝統九谷焼工芸展で優秀賞を受賞
1982年 一水会陶芸展で会員優賞を受賞
1984年 中日国際陶芸展で受賞
日本伝統工芸展で奨励賞を受賞
1992年 石川県指定無形文化財に認定
1995年 日本陶磁協会賞を受賞
2001年 紫綬褒章を受章
重要無形文化財「釉裏金彩」の保持者(人間国宝)認定

明治33年(1900)から続く錦山窯の三代目、吉田美統。
吉田美統は高校在学中、戦後に陶芸修行を始めた。錦山窯は初代、二代と「金彩色絵」、いわゆる「庄三風」とよばれる作品を得意とする窯でした。美統が9歳の時に二代が早世したために、技術は窯の職人から習得していました。
クラフト運動へ傾倒した時代を経て、転機が訪れたのは昭和43年。陶芸作家・加藤土師萌の遺作展で出会った「釉裏金彩」という技法に衝撃を受けました。石川県南部発祥の九谷焼の技法のひとつに、この釉裏金彩があります。この技法は、器の表面に金箔を用いて模様を表現し、その上に釉薬をかけて焼き上げるというもので、昭和30年代に技術が編み出され1966(昭和41)年に人間国宝の加藤土師萌氏らが釉裏金彩と名付けたのです。吉田美統はこれをきっかけに釉裏金彩の世界に入り、誰も手がけたことのない、花や蝶などをモチーフにした具象表現を探究します。
手法確立の模索を始め、数々の苦悩を重ね初出品まで約4年をの月日を費やしました。創意を重ねて作陶し、日本伝統工芸展で初入選。その後も錬磨を続けて独自の釉裏金彩を確立し、2001年には釉裏金彩の重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。

吉田美統の作品には牡丹や芙蓉といった植物が多く描かれており、今回ご紹介します本作品も椿が可憐に描かれているものとなります。
作品の特徴としては立体感の表現が美しく、写真からもお分かりいただけるくらい金箔の厚みを変えて遠近感を出ております。

こちらは店頭にて展示中です。お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

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正倉院復元三彩渦巻文手付花入

本日は入荷しました、
加藤卓男「正倉院復元三彩渦巻文手付花入」のご紹介です。

加藤卓男(1917〜2005)

略歴
1917年 岐阜県多治見市生まれ 父加藤幸兵衛に師事
1935年 岐阜県多治見工業学校卒業
1961年 フィンランド工芸美術学校修了
1963年 第6回日展で特選北斗賞受賞
1980年 宮内庁より正倉院三彩の復元制作を委嘱される
1983年 岐阜県重要無形文化財に認定
1986年 トルコ・トプカプ宮殿美術館にて個展
1988年 紫綬褒章受章
1992年 伊勢神宮の御神宝「陶猿頭形御硯」を制作
1995年 重要無形文化財「三彩」保持者に認定
2005年 逝去

加藤卓男は若き日に広島で被爆し、白血病を患いながらもフィンランドに留学、そんな中で古代ペルシア陶器の独創的な造形、斬新な色合いに魅力を感じて、西アジアで長年に渡り発掘研究に従事し、滅び去った幻の名陶「ラスター彩」の復元を成功しました。ラスター彩、三彩、青釉などペルシャ陶磁の再現や宮内庁正倉院から正倉院三彩の復元制作を委嘱されます。

また陶芸界最高の栄誉とも言えるMOA大賞を受賞し、重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定されました。

 

さて、今回ご紹介します「正倉院復元三彩渦巻文手付花入」は加藤卓男の中で最も代表的かつ重要無形文化財保持者にも認定された「三彩」の作品です。遥か遠くシルクロードに想いを馳せ異国を感じさせるような鮮やかな発色が抜群に美しく、花を入れる花瓶というよりこれだけで芸術品として堂々とした出立ちといえます。もちろん花を入れて頂いても茎や葉を連想させるような緑と黄色合いは、花の美しさを際立たせ、華やかにかつ豪華に魅せてくれる作品ではないでしょうか。

また「渦巻文」という名の通り、渦巻き状の模様が入っており至る所に施されています。この渦巻が隠れたアクセントになっており絶妙なバランスで見る人も楽しませてくれる非常に素晴らしい作品です。

和室はもちろん洋室に置いてただいても間違いなく馴染む事間違いなしのこちらの作品は店頭にて展示中です。お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

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色絵薄墨草花文花

こんにちは、本日紹介します作品は
十三代・今泉今右衛門「色絵薄墨草花文花瓶」

十三代・今泉今右衛門(1926〜2001)

十三代今泉今右衛門は江戸時代から続く「鍋島焼」の伝統を受け継ぎつつ、現代的な磁器をつくり続けました。その中でも色絵をほどこした「色鍋島」と呼ばれる磁器で数々の名作を生み出していました。
東京芸術大学を卒業しピカソやマチスの影響を受けた作品を作り続けていたそうです。そんな現代的なアートの影響を受け30代後半になるとずっと身近にあった日本の色鍋島の中にも現代的な美しさがあることに気づき、鍋島焼の「現代化」に取り組みました。現代鍋島焼の薄墨・吹墨・緑地の技法を確立し伝統工芸に新たな可能性を生み出しました。文様のデザインにもいままでの伝統の域を超えた型破りな工夫を加え、色鍋島の新たな世界を切り開き、平成元年に重要無形文化財「色絵磁器」保持者(人間国宝)に認定されました。

さて今回紹介します「色絵薄墨草花文花瓶」は酸化ウランを使って表現される「薄墨」の技法を使用した画期的な作品になります。初期伊万里の吹墨技法のコバルトを代えて、グレーで発色する酸化ウランであらわし、渋い滋味な調べの地色を完成させて落ち着きのある色絵を浮きあげる独特な加飾法。
それにより伝統の鍋島焼ならではの色彩描写にさらに表情豊かに陰影をもたらしています。

描かれいる草花が大変美しく描かれており、まるで花瓶に生えたかのように感じられます。お花を入れて飾って頂いても、花瓶単体でも楽しんで頂ける作品ではないでしょうか。

こちらの作品は只今店頭にて展示中ですので、お近くにお越しの際は是非店頭にてご覧下さい。

略歴
1926年 佐賀県有田町に十二代今右衛門の長男として生まれる
1949年 東京美術学校(現芸大美術部)工芸科卒業
1965年 日本工芸会正会員推挙
1975年 十二代死去により十三代今右衛門を襲名
1986年 紫綬褒章受賞
1987年 日本工芸会常任理事推挙
1989年 重要無形文化財「色絵磁器」保持者に認定
1999年 勲四等旭日小綬章受章
2001年 逝去

大阪市北区角田町8番7号 阪急うめだ本店7階 古美術ギャラリー
営業時間 10:00〜20:00(阪急うめだ本店に準じます)
Tel:06-6313-7618
Mail:umeda@shiotani16.jp

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松染付花瓶

今回ご紹介するのは近藤悠三の松染付花瓶です。

前面には右下から中央にかけて若々しく伸びる松が大きく描かれています。

打って変わって余白を大きくとった月と雲の静かな後面。

首元の呉須のラインが作品を引き締めていますね。

どちらの面も楽しめる作品となっています。

こちらは現在展示中ですので、是非お立ち寄り下さい。

 

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掛分指描扁壺

今回ご紹介するのは濱田庄司(1894〜1978)の掛分指描扁壺です。

肩部分で白と黒の釉薬が掛け分けられ、胴体には勢いよく指描きが施されています。

裏面は緩やかな波線。お花や枝物を生けても良いですね。

こちらは店頭で展示中です。お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

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色絵薄墨墨はじき石竹文花瓶

残暑厳しい季節いかがお過ごしでしょうか。

店頭には14代今泉今右衛門の小ぶりな花瓶が入荷しております。

薄墨の落ち着いた色合いにプラチナの花弁が華麗に煌めいている作品です。

お近くにお越しの際は是非お立ち寄り下さい。

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金重陶陽 花入

本日ご紹介するのは、金重陶陽の備前瓢形掛花入です。

「阪急WEBカタログ」掲載中

上部が大きく張り出した瓢形で、写真の様に置花入としても使えますし

「阪急WEBカタログ」掲載中

後ろに金具が付いているので、本来の掛花入としてもお使い頂けます。

こちらは「阪急WEBカタログ」に掲載中です。

店頭にも展示中ですので、お気軽にご来店下さいませ。

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向寒

日増しに冬に向かう季節、日中の暖かさが愛おしい日々となりました。

本日ご紹介するのは、田村耕一作 銅彩蓋付小壷です。

阪急WEBカタログ掲載中

温かみのある釉色が深まる秋を感じさせてくれる一品です。

お菓子やお花を盛ったり、そのまま飾り物としても映える作品です。

こちらの詳細は「阪急WEBカタログ」にて掲載中です。